肯定的なボディイメージをつくる難しさ

みなさんが「自分の身体」を意識するのはどんなときでしょうか。

体調がいいときよりも、風邪をひいて重だるいとき、何かしら痛みやコリがあるときなど、いいときよりも、調子を崩した時に意識する、という方、多いのではないでしょうか。私も、腰が痛いし、肩が凝っているし、身体が重いなぁ…ちょっとお腹まわりにお肉ついたなぁとか、という時に強く意識します。

そうそう。20代の頃は、スリムになりたいのにいっぱい食べちゃうし、お酒だって我慢できない…こういう自分が本当に嫌いで、自分の身体を肯定的に捉えたことがなかった私でした。”食べないダイエット”を繰り返し、運動しなくちゃ、と焦るばかり。【数値至上主義】で、自分で自分をどんどん追い詰めていたのでしょうね。

でも、そんな私も年齢を重ねた今、ようやく自分の身体をポジティブに捉えられるようになりました。それは、「自分の身体を知ることはすごく面白い」と気づいたから。

たとえば、以前の私は「人間が痩せる・太るメカニズム」など少しも考えず、やみくもに体重(数値)ばかりを気にしていました。でも、様々なストレッチや筋トレを繰り返す中で、自分の身体は自分が思うほど単純な代物じゃないことがわかってきたのです。

たとえば、腰痛がひどい時、腰をただマッサージするのではなく、大殿筋(お尻)や股関節、太腿の裏、ふくらはぎ、大腿四頭筋など、腰と連動した筋肉や部位をしっかりほぐさなければ根本的な解決にはならない、立ち方・座り方、歩き方という姿勢も影響する。という事実は目からうろこでした。

同様に、身体が変わる(痩せるとか太るという)メカニズムもとても複雑で、食生活や運動だけでなく睡眠や入浴、呼吸、血流、深部体温、身体のこわばり、ストレス等々を包括的に捉えなければ、見えてこない…。

その複雑さの発見は、「自分の身体をもっと知りたい」という欲求に直結しました。痛みを否定せずに「このコリやハリはどこからくるんだろうか」と考えてメンテナンスしてみる…そんな習慣をつけたら、自然と「体重が減らなくても、自分が心地よいと思える身体であれば、すごく幸せだなぁ」、と思えるようになったわけです。

身体に栄養分がきちんといきわたり、筋力も血流も活性化できて、動けるかどうか。呼吸は浅くないか、自律神経が整っているかどうか。

つまり「元気であること」を最優先するようになった今、身体が不必要なものを効率よく排出して体脂肪やむくみも減少していき、その先に「自然と痩せればいいかな」…と、楽に考えられるようになりました。

だから、美味しいものを食べ過ぎても、「楽しかったな」「美味しかったなぁ」「また食べたいなあ」という気持ちでいっぱいになるし、もしその結果の贅肉も「幸せ貯金」ぐらいに愛しく思える(貯金なら後でちゃんと使っちゃえばいいのですから)・・・💰

 

「知ることでボディイメージが肯定的になり、身体を自分でコントロールできる」

この発見・変化は私にとって何にも代えがたい、宝物です。